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元禄港歌 -千年の恋の森-

α7II + Sonnar T* FE 1.8/55 ZA
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鈴木杏が出演している舞台『元禄港歌 -千年の恋の森-』を観に、久しぶりにシアターコクーンに行きました。
1980年初演の舞台の再演だそうです。1979年の『近松心中物語』の好評を受けての作品だとか。

美空ひばりが歌う劇中歌と猪俣公章の音楽に象徴されるように、男女の情・母子の情をテーマとした、非常にセンチメンタルな芝居でした。ラストでは舞台全体が、全力で観客を泣かせます。

しかしながら、36年前の脚本だからでしょうか、上演時間の関係からでしょうか、私は少々強引な物語展開と感じました。
例えば信助(段田安則)と初音(宮沢りえ)は一瞬にして恋に落ち、同じく信助は糸栄(市川猿之助)を一瞬にして実母と確信する。鈴木杏が演じる歌春は、一年置き三回目の逢瀬の初っ端で、相手の万次郎(高橋一生)に「市井の職人と夫婦になりたいから」と微笑みながら別れを切り出し、万次郎はホイホイとそれを受け入れる。

もちろん「行間」があることは分かっているけれど、登場人物それぞれの心情をちゃんと汲み取れよと言われるだろうけど、それにしても。鈴木杏ちゃんが、まるで尻軽女見たいじゃないか…。

いや、でも、とても素晴らしい舞台であることは間違いありません。ステージいっぱいに広がる多くの役者たちによる港町の賑わい、そこを横切る最下層民である念仏信者の異様な列、間断なく落ちて来る真っ赤な牡丹の花、そして賑やかな三味の音と甲高い歌声とともに客席から現れる瞽女たち。メインの芝居が行われている後ろの、透ける襖越しに繰り広げられている宴会の様子なんかも、とても印象的でした。

段田安則は、もはや職人芸の域で万次郎の兄の信助を演じ、高橋一生はよく通る発声で少々乱暴だけど気の良い、しかし複雑な気持ちを抱く万次郎を完璧に演じていました。鈴木杏の三味線さばきを観れたのも、私にとっては喜びでございます。


写真は渋谷の街と大宮の新幹線ホーム。Sonnar1.8/55は、ようやく買って良かったと思えて来ました。主にF2.0かF2.8くらいで撮ると良いかも、と思っています
しかし、まだデジカメの露出制御やオートフォーカスに慣れていない私です。


by David_lam | 2016-01-24 11:15 | 観・聴